黙って俺のモノになれ【上】


割り切ってる、なんて言葉は見せかけだけ。


結局、裏で誰かが傷ついてる…。


それに……そんな関係が幸せだなんて思えない。


最初の、一瞬の気の迷いでそんな事しちゃって…。


本人たちだって本当は傷ついてるんじゃないかな……って、あたしは思う。


好きな人とはずっと一緒にいたいはずだもん…。


周りの目なんて気にせずに。


どんなに冷たい人だって思う事は同じだよね…?


そんな気持ち隠して割り切ってるだなんて、やっぱりおかしいよ……。


お父さんも、翔斗先輩も、その周りの女の人たちも…


昔、祭で会ったあのチャラい男の人たちも。













もしかしたら…こんな事を思うあたしが1番おかしいのかな…。


今はそれが普通なの…?


もう分かんない…分かんないよ……。







季節は秋でまだそんなに寒くはないはずなのに、あたしには今いる空間がすごく寒くて…。


精一杯縮こまって、寒さをしのぐ。





ああ、1人ってこんなに寒くて心細いんだな…。


そう思っていた時




───ガラガラ




真っ暗だった教室に一筋の光が指した。



「心音!……おい、玲弥!心音ここにいた!」



そう言ってやって来たのは慧くんと玲弥くん。



「…な、なんで………」



「なんでって…。友達だからに決まってんだろ!あんな顔して出ていった心音、放っておけるわけないじゃん!」



「でも…今、授業中じゃ………?」



「俺達には授業よりも、心音ちゃんの方が大事だから。それに1時間くらいどうって事ないよ?」



そんな2人の優しさに、あたしは思わず涙があふれた。



「あ…たし、2人に……嫌われちゃった…と…思って………っ」



あたしの言葉に玲弥くんは驚いた顔をした。