黙って俺のモノになれ【上】


うわー、まずい。


かぶっちゃった。



『すいません!先どうぞ?』



『いや、俺こそごめんね。君から先言っていいよ』



『いえ、そこはお客様が…』



『いやいや、俺後でいいし……』



しばらく譲り合いを続け……



『『ははっ』』



こらえきれなくなったうちらは2人で大爆笑した。



『これじゃ、拉致があかないな。じゃ俺が先言わせてもらうよ。本当大したことじゃないんだけどさ、名前、教えてくれない?』



名前…か。


たかが名前かもしれないけど、少し仲良くなれたみたいで嬉しいな。



『市川汐梨です!』



『汐梨ちゃん…って呼んでいい?』



やばい、名前呼ばれただけなのにすっごいドキドキしてるんだけど!


もしかしてあたしこの人の事好き…!?



『全然大丈夫です!えっと私は…』



『あー、自分から名乗ればよかったな。俺は森町啓介!啓介って呼んで。ちなみに近くの大学の1年。よろしくな、汐梨ちゃん』



大学生なんだ。


大人っぽくていい人だな。



『次、汐梨ちゃんの番だよ。何か聞きたいことあるんじゃない?』



聞きたいこと…もう聞いちゃったし…。



『彼女とかいるんですか?』



うわ、うちなんて事聞いてるの!


最悪だー。


初めて喋った人にこれはないよね…。


なんて後悔しても後の祭り。


うちは大人しく彼の言葉を待った。



『彼女かー。今はいないよ。汐梨ちゃんは?』



『わ、私もいないです』



変な質問にも答えてくれるなんて本当にいい人。


こんないい人に彼女いないなんて不思議だな。



『そっか。同じだな』



それから彼は家まで送ってくれて…


別れ際に連絡先を交換して、ついこの間告白されたんだよね。


告白された時は本当夢見てるのかと思った!


今ではラブラブカップルなはず…!(笑)






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