うわー、まずい。
かぶっちゃった。
『すいません!先どうぞ?』
『いや、俺こそごめんね。君から先言っていいよ』
『いえ、そこはお客様が…』
『いやいや、俺後でいいし……』
しばらく譲り合いを続け……
『『ははっ』』
こらえきれなくなったうちらは2人で大爆笑した。
『これじゃ、拉致があかないな。じゃ俺が先言わせてもらうよ。本当大したことじゃないんだけどさ、名前、教えてくれない?』
名前…か。
たかが名前かもしれないけど、少し仲良くなれたみたいで嬉しいな。
『市川汐梨です!』
『汐梨ちゃん…って呼んでいい?』
やばい、名前呼ばれただけなのにすっごいドキドキしてるんだけど!
もしかしてあたしこの人の事好き…!?
『全然大丈夫です!えっと私は…』
『あー、自分から名乗ればよかったな。俺は森町啓介!啓介って呼んで。ちなみに近くの大学の1年。よろしくな、汐梨ちゃん』
大学生なんだ。
大人っぽくていい人だな。
『次、汐梨ちゃんの番だよ。何か聞きたいことあるんじゃない?』
聞きたいこと…もう聞いちゃったし…。
『彼女とかいるんですか?』
うわ、うちなんて事聞いてるの!
最悪だー。
初めて喋った人にこれはないよね…。
なんて後悔しても後の祭り。
うちは大人しく彼の言葉を待った。
『彼女かー。今はいないよ。汐梨ちゃんは?』
『わ、私もいないです』
変な質問にも答えてくれるなんて本当にいい人。
こんないい人に彼女いないなんて不思議だな。
『そっか。同じだな』
それから彼は家まで送ってくれて…
別れ際に連絡先を交換して、ついこの間告白されたんだよね。
告白された時は本当夢見てるのかと思った!
今ではラブラブカップルなはず…!(笑)
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