そんなやつしかいねぇなら


俺は一生女なんていらねぇ。


こんなひねくれた息子になってわりぃな、母さん…。


けど、仕事は必ず継ぐから。


天国から見守っててくれよ。



「じゃぁ、俺そろそろ行くわ」



「もう行くのか?」



「あぁ。明日も学校だしな」



「そうか。またゆっくり帰ってきなさい」



「あぁ」



そう言って俺は父さんと別れた。













☆*☆*☆*☆*☆







「藤堂。急で悪かったな」



「いえいえ。特に仕事もございませんでしたので構いませんよ」



帰りは結局藤堂に車で送ってもらう事になった。


藤堂も、俺が小さい頃からいるし…


もううちの執事やってなげぇよな。


母さんや父さんの事、色々知ってんだろうな。



「なぁ、藤堂」



「なんでしょうか?」



「いや、何でもねぇ」



母さんの事聞こうと思ったが……


やっぱりやめといたほうがいいよな。


人に聞くのは……ちげぇ気がするし。



「そうですか。それより奏夢様、到着しましたよ」



どうやら桜河についてしまったらしい。



「さんきゅーな、藤堂。また帰るから。そん時は頼むぜ」



「お任せ下さい。では、お気を付けて」



お気をつけて…か。


そいやー、この言葉今日心音にも言われたな。


俺ってそんな危なっかしいかよ。