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───────約束の時間から10分経過。
一体どれだけ俺を待たせるんだ。
だけど、心音が来たのは更に10分後だった。
「…お、お待たせしました…」
「あぁ、待たせすぎだ。行くぞ」
今日は朝、担任に呼ばれてっから一応急いでんだけど。
「俺、お前の歩幅に合わせるとかいちいち面倒な事しねぇからな。ちゃんとついてこいよ」
いちいち歩幅なんて合わせてたら確実に間に合わねぇ。
「分かりました…」
「あ、それと今日の昼はお前んとこ行けねーから。俺の事待ってんなよ」
「はい…」
………ほっとした顔しやがって。
顔に出すぎなんだよ。
バカ女に腹立ちながらも、とりあえず言うだけ言った俺は校舎への道を急いだ。
心音が小走りで汗だくになっているのも知らずに。
「じゃーな」
心音の教室に着き、送り届けた俺は心音に一瞥もくれず自分の校舎へ走った。
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「………先生っ。遅れて悪い」
「あぁ、構わんよ。ところで今日の話だが、進路について聞きたいんだ。お前は親の後を継ぐ方向でいいんだな?」
どうせその話だろうなと思ってた。
どうするもこうするも俺にはその道しかねぇんだよ。
「あぁ、そのつもりだけど」
「そうか。では進路の実現に向けてこれからも勉強に励みなさい。話は終わりだ。わざわざ呼び出して悪かったね」
「どーも。じゃ」
小さい頃から親父の仕事を継ぐように言われてきた俺にとって、今更他の選択肢なんてねぇし。
それに、親父を嫌ってるわけでもねぇし、親父の仕事が嫌だと思ったことも一度もない。
だから俺には他の道なんて存在しない。
────だから…
総合学科に通ってるくせに、自分の夢を持ってるやつは素直にかっこいいと思う。
なんつーか、自分の夢持ってる奴って目が違うんだよな。
自身に満ち溢れてるっつーか、とにかく輝いてんだ。
“夢”ってすげぇもんなんだなってつくづく思う。



