【奏夢side】
ったく。
なんで交代制なんだよ。
たいぎーっつの。
黙って俺選んでりゃこんなことにならなかったってのに。
って、あーわり。
自己紹介忘れてたわ。
俺は朝霧奏夢。
今日の護衛は俺なわけだが…
早速心音とやらの部屋の前で立ち往生。
ノックはするべきなのか。
それとも叫ぶべきなのか。
────いや、どっちも俺らしくねーな。
そう思い、ドアノブに手を伸ばす。
が、
───────………
『どうしようと勝手だが柊を怖がらせるような事だけはすんなよ。あいつもまだ慣れてねーんだから』
───────………
昨日の楓さんの言葉が頭をよぎる。
まじで、昨日の楓さんの言葉はレアものだった。
俺自身、理解出来てなかったしな。
でも、まぁ…………
そんなこと俺には関係ねぇ!
───ガチャ
そう思い俺はドアノブを回した。
部屋の中に入ると、スヤスヤと気持ちよさそうに眠ってるあいつの姿。
すげぇ“馬鹿面”だな。
よし、決めた。
こいつの名前は“バカ女”だ。
ってこいつの寝顔見てる場合じゃねぇ。
俺は何のためらいもなく心音…通称“バカ女”の上にまたがるように飛び乗った。
さて、どう起こしてやろうか。
「おい、おい、起きろ!」