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『楓。今日の昼、女の子と一緒だっただろ?例の転校生?』



『あぁ』



『何でまた2人で?しかも楓めっちゃ楽しそうだったし…。もしかして…?』



あー、これ絶対なんか勘違いしてんな…。



『ちげーから。今日の担当が俺なだけ』



『担当?』



これは1からの説明が必要か…?



『簡単に言う。その転校生を俺ら…寮の3階メンバーで日替わりボディガード的なやつやってるんだ。で、今日のその担当が俺ってわけ』



これで伝わるはず。



『なるほど、そうなんだ。どんな子?』



どんな子…か。


『んー、想像通りっちゃ想像通り。すげーいい子だ。ちょっと引っ込み思案だけどな』



『そうかー。俺も一回会ってみたい』



『機会があればな』



学年も違うし、階も違うし…。


なかなか難しそうだ。



『それにしてもさすが楓だよ。相変わらず説明に無駄がなくてすっごい分かりやすかった。さすがトップ』



『それは関係ないだろ』



それに…ただ、くだくだ喋るのが苦手なだけ。


だから別に考えて短くしてるんじゃなく、勝手に短くなってる。


歩結には…


もっと喋れ。

とか

表情を表わせ。

とかよく言われるけどな。


そんなん今更………無理だ。


それでも一緒にいてくれてるあいつらには色々感謝してる。


まぁ…すごく個性的だけどな。