黙って俺のモノになれ【上】



「はい、これ7月のシフト表ね!」



輝さんがそう言って紙を渡してくれる。


あたしは早速シフト表をみる。






7月も《桐沢さん》と一緒じゃないや…。


桐沢さんはまだ会ったことのない従業員さんなんです。


今年度からシフト表で見るようになった名前なんだけど…


日にちも時間もかぶったことがなく、唯一顔を知らない従業員さん。


来月こそは…と思ってたけど、やっぱりだめでした…。


どんな子なんだろう…。


男の子?女の子?歳は…?


疑問なんてたくさんです。



「心音~!来月も違ったね…」



そう言ってこちらにやって来る汐梨ちゃん。


汐梨ちゃんも桐沢さんとは会ったことないんです。


なんせ、あたしと汐梨ちゃんはほとんど一緒のシフトだから…!



「うん…。本当どんな人なんでしょうか…?」



「うちもすっごい気になる!」



「ん?何の事?」



汐梨ちゃんと桐沢さんの事を話していると輝さんが声をかけてきた。


あ、輝さんなら知ってるよね…!



「あ、あの…桐沢さんの…」



「オーナー!!」



聞こうと思ったのに、輝さんを呼ぶ声に遮られてしまいました…。