あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~



これから飲みにいくという3人を志賀くんと2人で見送った。
「2人とも同じ方向だから、一緒に帰れば?」

絵梨がこれから帰る私達のことまで、仕切ろうとしてる。

止めてよ、絵梨…私は、すぐにでも一人になりたいのに。


絵梨が仕切るのは、いつもの事。
でも、志賀くんと一緒に帰れというのは、ちょっとじゃない。かなり困った。

絵梨だって、さっきの見てたでしょ。
志賀くんの中で私は、最低のふしだら女という位置づけだろう。

どうしてかって言うと、彼に何度か、ひどいところを見られてるからだ


もう、何年か前だけど、会社のエレベータの中で新人の男の子と乗り合わせた。
童顔だし、背も私と変わらない。年も下の子だから油断してた。

仕事を終え帰ろうとしたところで、疲れてぼおっとしてたのだ。

突然、後ろから抱きつかれてしまった。
不意を突かれて、エレベータの壁に追いやれた。

すぐに手を離して開放してくれれば、冗談で済ませたけど、その時は、遅くまで残業してた日で、私達の他に、エレベータに誰かが乗り合わせてくれる可能性は低かった。


その男の子にも、それが頭にあったのかも知れない。

エレベータのボタンは1階の外に、地下1階が押されてた。

その時点でおかしいと思わなきゃいけなかった。

私が押した1階のフロアで逃げ出せなければ、
誰も来ない地下のフロアまで連れて行かれて、もう逃げるチャンスはない。

監視カメラに、警備員さんが気づいてくれないかなと、祈りながら監視カメラを見つた。

すぐに、無理だろうなと思った。

新人君は意識して、ちゃんとカメラの死角に立ってたから。