できれば…

ほんの少し、触れるだけでいいから、
その厚ぼったい唇で、
キスして一緒に眠って欲しいのに…

そんなこと志賀くんにどう伝えていいのか、分からない。


気持ちよかった。志賀くんの胸に抱かれてるの。

私は、いつの間にか志賀くんの腕の中で、眠くなり、意識が薄れ、うとうとするうちに寝てしまった。
安心して、信頼できる腕の中にいたら…
このところのストレスから、開放されたみたいにスーッと気持ちが楽になった。



朝起きたら、着ていたスーツはきれいに畳まれていて、私は、布団の中で寝ていた。

いつ脱がされたのか、まるで覚えてない。志賀くん、私をどうやって運んだのかな…抱き抱えてくれたの?

悲しいことに何も覚えてない。

本当に、グッスリ眠れたのは久しぶりだった。
ねえ、上までどうやって運んだの?って何度も聞いたのだけど、むっつり黙ってしまって、最後にうるさいって教えてもらえなかった。