恥ずかしくなって俯くのに、颯太は「顔、見たい」と覗き込んでくる。


その顔をベシッと叩いた。




「いった!」


「見ないで。ほんと、心臓ドキドキいっててやばいの」


「………俺もヤバイ」


「お前はどーでもいいわ!」





べしっと頭を叩いたのに、ぎゅっと颯太に抱きしめられる。




「もう柚俺のこと好きだろ」


「…言わないよ」


「好きって言ってよ」




ごめん。

素直じゃなくて。



なんて心の中で言うけど、


そんなのずっと他の子をすきだった颯太が悪いということで。






「いつか言わせてみて」



そう言って笑う私に、颯太は



「意地悪な彼女だ」



なんて言った。







end。