「ねぇ歩、夏休みはどうするの?」


あたしは昨日聞いた両親の会話を思い出しながらそう言った。


「夏休み? まだ何も決めてないよ?」




歩はそう言う。


やっぱり、2人でこそこそ会話をしていたのは、歩に内緒で夏休みの計画を立てているからだ。


そう思ったあたしは、自然と頬が緩んでいた。


「なにニヤニヤしてんの?」


歩にそう言われあたしは「べっつにぃ?」と、わざとらしく誤魔化したのだった。