☆☆☆

それからあたしと歩は、歩の家に来ていた。


1日ぶりの自分の部屋に歩は安心したように息を吐き出した。


「歩のお母さんって、おおらかな人だね」


あたしは女の子を連れてきても顔色1つ変えずにほほ笑んでいた彼のお母さんを思い出してそう言った。


「あぁ。まぁ、後で色々聞かれるかもしれないけどな」


歩はそう言い、ベッドに横になった。


「うちの両親はどう?」


「マホの両親もすごく優しいよ。ケガをした昨日はずっと看病しててくれたし」


そう言われてあたしは嬉しくなってほほ笑んだ。


両親を褒めてくれるのは素直に嬉しいと感じられる。


「なぁマホ。昨日ネットで漫画を読んだんだ」


「漫画?」


「あぁ。入れ替わり系の漫画を何冊か」


「どうだった?」


「入れ替わった時と同じ衝撃で元に戻る内容と、そうじゃない内容があった」


「そうじゃない内容ってなに?」


あたしは聞き返す。