高瀬はおずおずと椅子に座り、ゲーム画面をあたしにも見えるように傾けてプレイし始めた。


画面上でわけのわからないキャラクターが動き、何かの冒険に出かけている。


次々と出てくるモンスターを倒し、自分のレベルを上げていく。


見ていてもやっぱりちっとも興味は湧いてこない。


それでも、隣の高瀬はとても楽しそうにゲームの内容をしゃべりながらプレイを続ける。


それに対してあたしは「へぇ」とか「ふぅん」とか、どうでもいいような返事を繰り返した。


女子たちの悪口はいつの間にか消えていて、あたしはホッと息を吐き出したのだった。