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そのあと、ソファーの上で思い返したのは、華木先輩を含めた三年生が部活を引退したあとのこと。

最初はぎこちなくも二年生がいろいろ仕切り始めたあの頃は、それと同時に、暑い夏も終わりを告げようとしていた。



「…だる、」



そしてその時の俺はというと、麻妃先輩がいるからっていう理由だけで夏休みも真面目に毎日部活に行っていて、

麻妃先輩とプリクラを撮ったあれから、一度は勢いで告白しようとしてはいたものの…結局あれ以来、まだずっとそれが出来ずにいる。

俺は部活が終わると、いつもの練習場所である教室から、やっとサックスを手に戻ってきた。


……今日は最悪だった。

今度の定期演奏会でやる曲が出来なくて、「まぁいっか」なんて思ってそのままでいたら、

麻妃先輩にバレた上に帰り際に捕まって、出来るようになるまで練習させられていたから。

いつもだったら一日練習だと15時で皆終わって帰っているのに、今はもうとっくに16時を回っていて、皆は帰ってしまっている。


……はぁ。

俺もさっさと楽器片付けて、さっさと帰ろ。


俺がそう思いながらため息交じりで片付けていたら、その時やっと麻妃先輩も音楽室に戻ってきて、言った。



「あっついねー三島くん。…うわ、もう16時!?」

「…」

「はぁぁぁ…熱中症で死にそうなんだけど」