それからというもの、犯人不明の猟奇事件が多く発生した。多くの嘘の噂が流れた。お狐が死神の使者である、だとか、化かして村人を狩るのを楽しんでいる、だとか…それらの噂は根も葉もない噂なのだが、人々は噂話に影響されていった。 悲しむお狐を庇ってくれていた唯一の味方の老人も、病気で死んでしまった。 ………お狐は、一人になってしまったのだ。 …お狐は、孤独になってしまったのだ。