あの頃のように笑いあえたら

そして優しく離された後の唇は、まだ暖かく熱を持っているようで。

また、冷たい風が2人の間を通り抜ける。

照れて視線をそらす源と、それを見て可愛いと思っている私。

ーー ブー ブー

2人のスマホが同時に震える音が聞こえて、笑ってしまう。

「……あ」

先に画面を見た源が呟く。

「あはは、そうか。連絡してなかったね」

それは、みんなからのメッセージだった。

あれだけ、連絡してと言われていたのに。目の前の相手に夢中になってしまっていたんだ。

「そうだ、いとな……」

源はそう言って私の顔に自分の顔を寄せる。

柔らかな源の髪が頬に触れ、また胸が高まる。

池をバックにスマホで2人の写真を撮り、源がみんなへと送る。

言葉は、いらないだろう。

2人、また顔を見合わせ笑う。

今日、何度こうして笑いあっただろう。

ーー ブー ブー

またみんなからのメッセージが届く音が聞こえる。

スマホを手にしようとする源の腕を遮り、今度は私から。

もう、何も言わない。

触れ合った唇から伝わる想い。

私は今、きっとあの頃のように自然に笑えてる。