藍色の風月



~~~一方その頃~~~~




「……………さん……ラスさん……サイラスさん!」



郡武は、守るべきキャットアイのことが気になって、四階のこの部屋に来ていた




すると、サイラス氏が倒れており、キャットアイがガラスケースからなくなっていることに気づき、サイラス氏に駆け寄ってきたのである




目を閉じているが、呼吸をしているサイラスの様子を見て、気を失っているだけなのだとわかり、胸をなで下ろしつつ、こうして呼びかけ続けている




「ん……どうした……??なにか………あったのか………??」




サイラスが目をあけて、意識を取り戻した




「大丈夫ですか…?郡武です!わかりますか…?」



「ん…儂は…う…ん何も思い出せん…」




サイラスは一連の事件について、どうやら記憶にないらしい




「郡武刑事…!!庭の茂みから盗まれたキャットアイが見つかったそうです」



警備に当たっていた警官が息を切らしながら走り込んでそう報告した




「そ…そうか…!良かった……!しかしどうして…」



疑問を残しながらもすぐに警官を下がらせ、怪盗をこの部屋で迎え撃つと誇らしげに言うサイラスのことを思い出す




サイラスたっての希望でキャットアイのあるこの部屋で一人にした。郡武は勿論反対したが、聞き入れなかったのだった




郡武はこの部屋を見回し、なぜあれほどまでにサイラス氏が自信たっぷりだったのかがすぐにわかった




なるほど…このボタンを押すと地面が開いて捕まえられるってわけか




しかし、床が開くのはある範囲に限られていて、ボタンも壁に取り付けられている




ある一人の警官が、この部屋から強い光が放たれたのを目撃したことをふまえると、どうやら楓月は光で目をくらませボタンを押す隙も与えず盗んだ


それに、開くはずのないガラスケースが開いていることからサイラス自身が取り出していたらしい



「郡武刑事…私の宝が無事で良かったよ…君が守ってくれたんだね…」



サイラスはやっときちんと意識を取り戻し、自分の足で立ち上がって言った
   


「そんな……私は何もしていません…!!サイラスさんが無事で良かったです!!では…これで…」



そう言って敬礼をしてから身を翻し、サイラス邸を後にした郡武であった…