小天狗side


眩い光が鎮まると同時に
お師匠様の姿を目に捉えた。

桃の木から弾き出されたお師匠様を
譲葉様が受け止める。


『…おかえり、光陽。』


〈オレを助ける事に
『切羽』を使うなんて馬鹿だな…。〉


桃の木の霊力のおかげで
お師匠様の傷も癒えている。

もう、生贄は必要ない。


二人は満開の桃の木の下で抱き合った。


小天狗sideEND