自分とそれほど年齢の変らない、商売の才覚に恵まれた祖先の一人が、何もないところから事業を始め、あれだけの組織の元を作った。

そう考えると、理貴も感慨深くなる。

自分もそんな風になりたい。




そろそろ日の出かな。

理貴は、大きく伸びをした。これから、メンバーがやって来るまでの数時間が自分だけの時間だ。


リビングの窓辺から見える、海の上に広がる空がだんだん明るくなっていく。

こんな風に、空の色が段々変わって行くのを見るのが、一日の活力になる。

パソコンの電源を入れ、モーター音がして画面にロゴマークが出てくる。


時刻は、朝の5時を少し回ったところ。
セットしておいた、コーヒーを飲む。


深夜にベットに入った事を考えると、睡眠は足りていると思う。


今は、少しでも時間が欲しい。

眠くならなければ、与えられた時間をもっと有効に使えるに。


理貴は、寝ていた間に来たメールに素早く目を通し、スケジュールをチェックする。


すぐにも、返事が必要な案件にメールを送り、今日一日のスケジュールを軽くシュミレーションする。


午後、面接か…

場所は、ここ。


ただ一人を除いて
全員断ったといったら、葵、怒るかな。