君がくれたもの



ひょこりと病室を覗き込むと、

笑いながら私の方へ腕を広げる大輝。

そんな大輝の胸の中に花束を持って飛び込んだ。

笑いながら花束ごと受け止めてくれた大輝。

「こいつ、俺の彼女。

日菜子って言うんだ。

手出したら許さないからな?」

と、ケラケラ笑う大輝、

…声が笑ってません。

「何々?本気の彼女?」

と茶化している友達?の人達。

「そ、最後の彼女。」

取り敢えず、挨拶をしようと大輝から離れようとしたら、

「…なにしてんの?」

大輝の低い声。

…え?

「…いや、挨拶しようかな、と、」

と言うと、

「…やべぇ、日菜子こいつらに見せたくない。」

そう言った大輝に停止した体。

言葉を理解した瞬間赤くなる顔。

花束がなければ!
大輝の胸に顔埋めてた!

ってそうだよ!

「花束萎れちゃう!」

と言って慌てて体を離して、

大輝へと花束を渡した、

いや、正しくは大輝の顔面にぶつけた。

シーーンとなる病室。