君がくれたもの



そして今日大輝は退院する。

長い入院生活がやっと今終わったんだ。

あの花屋さんに行って、

大きな花束を買おう。

大輝の好きな食べ物を雑誌を買おう。

大輝の笑顔が見たいから、

なんでもするよ。

あの花屋さんによると、

「日菜子ちゃん、花束できてるよ。」

すっかり仲良くなっ店員さん。

野原花さん。

「花さん、ありがとう。」

花屋さんにぴったりな名前だね。

渡してきたのは、結構大きな花束。

「…日菜子ちゃん、大丈夫?
もしよかったら、あの病院の近くに配達予定のところあるから、

送って行くよ?」

とヨタヨタする私を支えながら言う花さんに笑いながら首を振った。

「大丈夫です!
病院までの道のりは今日で最後って信じてるんで、
この目に焼き付けたいんです。」

そういうと、
そっかと言って笑った花さんに、

お金を渡すと、

「はい。お釣りね。」

と笑った花さん。

え?ピッタリのはずだけど。

そう思ってると渡されたのは、

花束のお金の半分。