君がくれたもの



目線を落とすと、

七分丈の腕から見えるのは、あざひとつない腕。

そうだ、

私、殴られたときなんて一回もない。

嫌いって言われたときも、一回もない。

お母さんとお父さんは、大翔と同じ扱いをするどころか、それ以上に私を可愛がってくれてた…

大輝と同じくらい私を理解してくれていた。

お母さんたちの優しさを思い出してポツリポツリと涙をこぼす私を、

ぎゅっと抱きしめたのは

久しぶりの優しい体温。

お母さんだ。

「…日菜子、私と日菜子は血が繋がってるの。

あなたの叔母だから。

賢介は残念ながら血は繋がっていないけど、
私とあなたと大翔は血が繋がってるのを忘れないで。」

「それに、血なんて繋がってなくても、

私たちは本当の家族よ。」

そう言ったお母さんに私は大泣きをしながら、抱きついた。

ねぇ、

大輝。

なんでこんな時、

大輝はそばにいてくれないの?

ねぇ、

なんで私の頭を撫でて、良かったなって言ってくれないの…?