「私を愛していなかったの?」
そう聞いた私に、
「違う!」
そう叫んだのは、
誰でもない、
亜美。
ゆっくりと亜美の方を見れば、
涙を流して俯いている亜美。
不意に、夏でも長袖のシャツを捲り上げると、
腕の所々に見えた古傷。
「…私は本当のお母さんとお父さんに愛されてなかった。
虐待をされて、
餓死しそうになったとき、施設の人に見つけられて
預けられたの。
新しい里親もすぐに見つかったけど、
その人たちも私を虐待した…。
そして、また施設に戻されて、
着いたのは、一平の家。
一平の家は、私をきちんと怒って、褒めて、抱きしめてくれて、
おじさんとおばさんが日菜子に対する扱いを私にしてくれるの。
日菜子は、おじさんとおばさんに愛されてるの。
本当に愛されてないなら、
日菜子は今私みたいに傷だらけのはずだよ。」
相良に支えられながら涙を流す亜美。


