前よりも明らかに空いた俺らの距離。


俯き気味に俺の少し後ろを歩く。


「ねぇ…今日、2人で帰ったこと絶対に他の人に言わないで」

「なんで?俺ら友達だし、やましいことなくね?」

「お願い‼︎翔太先輩にバレたら……」


ぐっと口を紡ぎ、首を横に振るのみ。


確かに、俺と2人で帰った…なんて知ったら逆上しそう。


「叶芽。お前、今楽しい?」

「楽しいよ‼︎普通に…楽しい」

「見え見えの嘘ついてんじゃねーよ。そんな恋愛して幸せか?」

「…幸せじゃない。ほんとは……もう限界‼︎もう嫌だよ…っ」


ポロポロと大粒の涙を流して、顔を隠した。


やっぱ、ツラかったんじゃん…。


「最初っから素直になってれば助けてやったのに。バーカ……」

「バカじゃないっ‼︎」

「はいはい。もう泣き止め」


我慢出来ずに抱き寄せれば、背中にそっと腕が回った。


こんなに小さかったっけ…。



俺が守ってやりたい。