性悪男子の甘い毒




最近は、翔太先輩が部活の日は少しラッキー。


1人で気兼ね無く帰れるんだもん……。


下駄箱で靴を履いてると、ポンッと頭を叩かれた。


「そこ、ジャマ。俺、帰りたいんだけど」

「晃椰君…。ごめん…」

「うわ、気持ちわりぃ…。お前、そんな素直だったっけ」


つい、この間口喧嘩したばっか。


なのに、晃椰君の意地悪な笑顔を見ると安心しちゃうんだ……。


なんか目頭熱くなってきたし…。


「…叶芽?泣いてんの?えっ、ちょっ、なんで⁉︎」

「ごめん‼︎なんでもないっ‼︎コンタクトずれただけ‼︎バイバイ‼︎」

「はぁ⁉︎待てって‼︎」

「大丈夫だから‼︎離してよっ‼︎」

「離さねぇし、ほっとけねぇ」


強めに手首を掴まれた。


晃椰君の手…あったかい。


「話ぐらい聞いてやる。…帰るぞ」

「…うんっ。ありがとう…」


無愛想に投げ渡されたポケットティッシュ。


優しさでもっと泣きそうだよ。


結局何も話せないまま、駅まで送ってもらった。


あたしの意気地無し………。