性悪男子の甘い毒




まだ寒さ健在の中。


昼休み、教室の曇る窓に指先で落書きをする新太。


『松宮未央』って、ハッキリ書いてるし…。


「早く振り向いてくんねぇかな〜。未央ちゃん」

「付き合いてぇの?」

「はぁ⁉︎当たり前‼︎好きだから、付き合いたいじゃん‼︎」

「そうだよな…」

「なんだよ急に。変なの〜」


新太は、ケラケラ笑いながら席に着いた。


つられて俺も席に着くと、ふと疑問が頭を過る。


「なぁ、新太」

「なにー?」

「好きなヤツと付き合ったら幸せ?」

「まぁ…幸せじゃね?つーか、それぐらい晃椰でも分かるだろ〜」


普通は幸せだよな。


なのに、アイツは全然幸せそうに見えなかった…。



「叶芽ちゃんがモテモテの翔太先輩に横取りされてブルー入ってる⁉︎」

「入ってねーよ‼︎バカ‼︎アホ‼︎」

「うっわ〜……分かりやすっ‼︎」


せめて、叶芽が笑ってねーと無理。


このやり場のない心が報われないから。