性悪男子の甘い毒




ワザと気付かない振りをして背中を向けた。


お願いだから気付かないで…‼︎


「あれ〜?男子からモテモテの藤咲さんじゃーん」


気付かれたぁぁぁ‼︎


その上、なんか見下されてない⁉︎


「モテモテのクセに帰りは寂しく1人?」

「た、高槻君こそ1人なの?女の子から人気なのに。顔だけ」

「うっせーな‼︎お前も顔だけだろ」

「…っ‼︎なんとでも言ってよ‼︎もう知らないから‼︎」


歩き出した途端バシッと腕を掴まれた。


さすがに、男の力には敵わない…。


「なっ、なに?」

「昼休みのお礼…ありがとな。ほとんどクラスのヤツらに食われたけど」

「え…あ、ううん。別に…」

「それだけ。…じゃあな」


スタスタと歩いて行ってしまった。


耳まで真っ赤になってたよ…。



高槻君の性格が掴めない…。


よく分からない……。


もう絶対に関わらないと決めたのに、もっと知りたくなってしまった。