性悪男子の甘い毒




ご飯をご馳走になったから、片付けは手伝った。


ブスとか不器用とか好き放題文句言われたけどね……。



そして、あたしが晃椰君のマンションを出たのは夜7時過ぎ。


わざわざ送ってくれた。


「お前の家って駅から遠いの?」

「普通、かな?駅から歩いて15分ぐらいだよ」

「今日、時間も遅いし暗いから家まで送ってく?」

「いっ、良いってば‼︎1人で帰れるし‼︎晃椰君が遅くなったら、お家の人心配するよ‼︎」

「心配しねぇよ。嫌われてっから」


えっ…?


嘲笑を浮かべて真っ暗な空を仰ぐ。


「俺、片親で母親しかいねーの。俺が3歳の時に父親、女作って出てったんだって」

「そう、なんだ……」

「大嫌いで最低な男の子供だろ。母親に好かれるワケないよな」


明るく笑って見せてるけど、目の奥は笑ってない……。


言葉が見付からないや…。


「あのマンションもほぼ1人暮らだし」

「…寂しくないの?」

「寂しいって言ったら俺の側いてくれんの?」

「えっ‼︎そ、それは…っ」

「冗談だよ。ブース‼︎」


意地悪っぽく言う横顔は、どこか悲しそうだった。