性悪男子の甘い毒




さっきまで、あんなに騒がしかった室内。


1人になると耳が痛くなるほど、シーンとして気持ちわりぃ……。


すぐにテレビを付けて気を紛らした。


家に1人の空間なんて慣れてるはずなのに、変だよなぁ…。


そんな時にふと浮かぶのは、さっきの叶芽の照れた顔。


「付き合ってみる?」なんて、冗談で言ったつもりだった。


だけど、もしあの時アイツが頷いたら俺は………



いや、変な事考えるのはやめた。


ただ勉強して疲れてただけだから。



そして普段より遅く眠りについた夜。


叶芽が夢に出て来たなんて、絶対言えねぇ……。



朝から、下駄箱で出くわしたアイツは夢の中よりも笑顔で。


「あっ、おはよう‼︎昨日は、お邪魔しました」


律儀に言うもんだから、毒突くことも出来ねぇ…。


「別にー。あの後、新太にちゃんと送ってもらったか?」

「うん‼︎駅まで送ってくれたよ〜。心配してくれたの?」

「…まぁな」

「へっ⁉︎あっ、あ、ありがとう…」



叶芽が側にいると、俺らしくなくなる。


なのに、居心地悪くない。


最近の俺、なんかヤバイかも………。