今までそれなりに恋愛経験は積んで来たつもり。
だけど結局彼女は全員、俺の外側しか見てくれなかった。
そんな虚しい思いするぐらいなら、新太達といた方が良いから。
「あの…。ずっと前から、高槻君が好きでした…‼︎」
放課後の校舎裏。
大人しそうな女の子に告白されてる今も、答えは決まってる。
「…ごめん。俺、付き合うとか興味ねぇから」
「そう、ですか……」
今日も1人、女の子を泣かした。
俺が悪者みてぇじゃん…。
少し時間を置いて、校舎裏から校門に向かうと叶芽にバッタリ遭遇。
「ほんと、あたし達よく会うよね…」
「否定しねーわ。それ」
「また告白されてたの?」
「どーせ、お前もだろ?」
「あはは…。うん、まぁね…」
2人で歩く少し肌寒い帰り道。
俺の足は自然と、叶芽が使う駅の方向へ進む。
「晃椰君。いつも送ってもらって悪いから、今日はこの辺で良いよ」
「変なとこで気遣うな」
「だって……っ」
言い掛けて口を閉じた。
叶芽らしくない………。