性悪男子の甘い毒




俺らのいつも通りのやり取りのはずだった。


なのに………。


叶芽は眉を下げて、俺が座る長椅子の隣に腰掛けた。


「すごい心配したのに…。あたしバカみたい…」

「余計な心配掛けさせて悪かったな」

「ほんとだよ…。ちょっとは、こっちの気持ち考えろ……バカ‼︎」

「何いじけてんだよ…。お前に関係ねーだろ」

「関係ないよ‼︎関係ないけど……。気にしちゃうもん……」


アイツは走って保健室を出てった。


しかも、涙いっぱい溜めた目してさ。


ちょっと強く言い過ぎたかな……。



反省する頃には、もう体育祭の表彰式も終わってた。


俺らのクラスはバスケで準優勝。


勝ったのに、モヤモヤすんのなんだよ〜‼︎


「晃椰〜‼︎もう怪我大丈夫かー?」

「新太…。なんとか大丈夫」

「おー‼︎そっか‼︎じゃあ、この後クラス会あるから行こうぜ〜‼︎」

「あ〜……わりぃ‼︎今日はパスで。用事あるんだわ」

「つまんねぇー‼︎委員長に伝えとくなぁー」


行く気しねーよ……バーカ。


腹立つ事に、帰り道も頭の中はアイツのことばっか。


意味分からん………。