性悪男子の甘い毒




いざ試合が開始して、新太の言ってた事が痛いほど分かった。


ファールギリギリで派手に暴れてる…。


確かに、エースでうまいからこそ出来る技だよな……。



そして、トドメに思いっ切り転ばされた。


しかも謝罪ナシですか⁉︎


俺、膝から出血中。


「晃椰⁉︎大丈夫か⁉︎ちょ、お前、血出てるし‼︎」

「うわ〜…最悪…」

「体育館で血出すって、どんだけ強くやられたんだよ…」


新太に手を引っ張られて、やっと立ち上がる。


俺、痛いの嫌いなんだって〜……。


「補欠入れるから保健室行って来い‼︎」

「いや、あと2、3分だろ?出る…」

「良いから‼︎血ダラダラ出てるし‼︎」

「分かったよ‼︎」


このまま、転んで怪我して抜けるとかカッコ悪……。


これ、叶芽に指さされて笑われんな。


なんて考えて歩いてたら、グッと腕を掴まれた。


「…叶芽」

「大丈夫⁉︎痛いよね⁉︎早く保健室行こう‼︎」

「1人で行けんだけど」

「ダメ。絶対、保健室行かないもん」


笑われるどころか、泣きそうな顔で心配された。


そうゆう顔、調子狂う……。