性悪男子の甘い毒




【晃椰side】



なぜか、叶芽のシュート練習に付き合わされた俺。


新太のゴリ押しだったんだけどさ…。


シュート出来る様になったアイツだけど、体育祭では2回戦敗退。


けっこー落ち込んでるらしいけど仕方ねぇよな……。



そして、元バスケ部の俺と新太はそこそこ楽勝。


俺ら以外の3人のメンバーは現役でバスケ部だし、普通に強い。


決勝まで進めた俺らE組。


最後は、バスケ部エースが在籍する3年のクラスと。


「晃椰君‼︎頑張って‼︎」

「ん。ありがと」


知らない女子に応援されても、なぁ〜……。


体育館を見渡すと、目立つお団子頭2人を見付けた。


叶芽、ちゃんと来てんじゃん。


…って、俺はアイツに何を期待してんだろう…。



「晃椰〜。次試合する3年、かなり荒いらしいよ」

「バスケ部エースいるのに?」

「いるからだよ‼︎隣のクラスのヤツ、ぶつかられて歯折ったって‼︎」

「うげぇ〜……俺、痛いのヤダ…」

「俺も〜‼︎前歯だけは守ろうぜ…」


新太が口元を押さえたまま整列した。


こんなんで前歯消えるとかマジ無理…。