性悪男子の甘い毒




そいえば、あたしは怒ってる暇も無いんだった…。


トーナメント表を見る限り、あたし達A組は初戦。


未央は新太君に取られちゃうし……。


緊張してきたぁ〜……。


「何緊張してんだよ。似合わねぇな」

「あたしだって緊張ぐらいするよ…」

「さっき、すげー数の男子が叶芽目当てで体育館来てたけど」

「プレッシャー割り増しにしないで…。初戦だからもう行く……」


ほんとに、イジメるの好きだよね……。


こんな時ぐらい優しい言葉の一つでも掛けろ〜‼︎


溜め息混じりに立ち上がると、またグッと手首を掴まれた。


「無理すんなよ。頑張れ」

「…うんっ‼︎絶対に1回戦勝ち進むから観ててよ?」

「ははっ‼︎でも、お前ドジ踏みそー‼︎」

「ドジしないから‼︎キレイにシュート入れるしー‼︎」

「入れなかったら、購買のメロンパン奢りで」


絶対に、シュート入れて勝つしかないでしょ‼︎


1回戦突破してやるー‼︎