性悪男子の甘い毒




その後もずっとシュートの練習をしていると、気付けば体育館の外は薄暗くなっていた。


体育館の時計が示すのは夜の7時。


そろそろ帰らなきゃ……。


「じゃあー…シュートも入る様になったし。帰るか?」

「うん…。そうだねっ」

「なんだよ〜、その顔。俺と離れんの寂いの?」

「そうゆうわけじゃないけど…。もっと、晃椰君とバスケしたい…」

「えっ……」


あたし何恥ずかしいこと言ってんだろう…‼︎


バカじゃない⁉︎


「なっ、なんてね‼︎冗談だよ‼︎今日はありがとう‼︎助かったよ‼︎じゃ…また明日‼︎」

「…あのさ」

「へっ…?」


バスケットボールを片付け様とした時、グッと手首を掴まれた。


男の子の力だ……。


「駅まで送ってってやるよ…」

「い、良いよ‼︎迷惑掛ける…」

「迷惑じゃねーから。一応、女なんだし…危ねぇから?」

「なんで疑問形…」

「うるせーな‼︎大人しく素直に頷けよ‼︎」


口悪く言い放つ晃椰君だけど…。


ねぇ、耳まで赤いのはどうして?


変な期待しちゃうし……。