性悪男子の甘い毒




相変わらず今日も大混雑の購買。


残り僅かだったメロンパンを買う晃椰が、すごく珍しい…。


手を繋いだまま連れて来られたのは、少し肌寒さが増した屋上。


「叶芽。おいで?」

「はいっ⁉︎ここ、学校ですが…?」

「気にすんなよ。誰もいねーじゃん」


ドカッと床に座り、自分の膝を指差す。


今現在、屋上にはあたし達2人だけ……。


晃椰がヘコんでる今日ぐらい仕方ないよね?


「今だけね。1人でも誰か来たら、すぐ離れるからっ‼︎」

「分かってるって」

「ほんとに〜?………ねぇ、大丈夫?」

「大丈夫だから。しばらく、このままでいさせてな…」


あたしを膝に乗せ、後ろからぎゅっと抱きしめる。


心配で少し振り向くと、パチッと絡み合う視線。


「目、閉じて?」

「…うん」


一瞬だけ重なり合った唇。


晃椰に何もしてあげられない自分が、無力に感じて仕方ない。



「また少しずつ頑張れば大丈夫だよ」

「そうだな。ありがと、叶芽」


素直な晃椰なんて、らしくない。


側にいてあげるから、早く元気出してね。