【叶芽side】
夏休みも明け、まだまだ暑さの続く9月。
みんなそれぞれ進路も決まり、受験勉強も追い込みに入った。
そんな中、あたしの隣の席の彼氏さん。
晃椰も茶髪から黒髪にして、いかにも受験生な真面目モード。
黒髪の晃椰も、なかなかカッコイイんだよね……。
集中して机に向かう晃椰をつい見詰めてしまう。
「ものすごい視線感じんだけど」
「えっ⁉︎きっ、気のせいでしょ〜?」
「嘘つき。俺に見惚れた?」
「…うん」
「ブ、ブス‼︎お前も勉強しとけよな‼︎」
顔を赤くして、ぶっきらぼうにあたしを撫でる手も好き。
だって、晃椰の全部が好きなんだもん。
あたしばっかり好きみたいだ。
「…ねぇ、晃椰」
「なんだよ」
「大学生になって、今以上にモテちゃダメだよ?」
「その言葉そっくりそのまま叶芽に返してやるから」
「あたし⁉︎晃椰みたいにモテないから‼︎」
晃椰は不服そうな顔したけどさ〜…。
今でも、たまに告白されてるの知ってるんだから‼︎
いちいち嫉妬してる自分にも嫌気が差すんだけどね……。