性悪男子の甘い毒




その後は、2人で手を繋いで駅ビルをただ歩くだけ。


ケンカして、離れた時間があって、改めてお互いの大切さを知った。


だから、ただ2人で隣にいられるだけで幸せなんだ。



「夏休み明けたら、こうやってデートも出来なくなっちゃうね?」


急に寂しそうな声で、叶芽は俺の顔を覗き込む。


「少しの間、我慢すれば良いだけだろ」

「うん…。晃椰は寂しくない?」

「同じクラスだし、毎日顔は見られるからなー。特に寂しくねぇけど」

「それはそうだけどさぁ〜……。あたし耐え切れるかな…」

「ははっ‼︎すげー好きじゃん、俺のこと」


ふざけて言ったつもり。


叶芽がムキになると思って、ワザと。


「ほんとに、かなり晃椰のこと好きっぽい。困るぐらい」

「バ、バカじゃねーの…。ブス‼︎」

「晃椰、顔すっごい赤くなってるけどー‼︎照れてる‼︎」

「照れてるわけねぇじゃん」


そんな風に言われたら、照れるっつーの…。


最近、叶芽と俺の立場が逆転しつつある気がする。