性悪男子の甘い毒




優しい言葉を掛けられても、抱き締められても、キスをされても……。


あたしの心は変わらない。


「ごめんなさい‼︎あたしは先生の彼女になれません‼︎」

「やっぱり振り向いてくれないか〜…」

「心変わりなんて出来ないんです…。大切な人は何があっても変わらないんです」


晃椰以外考えられないよ……。


菊池先生は、どこか悲しげな笑みで黒板に寄り掛かった。


「俺が、そういう風に言われる立場になりたかったな。高槻君って幸せ者過ぎ」

「えっと……ご、ごめんなさい…」

「もう謝らなくて良いよ‼︎なんか、虚しくなってくるし。…幸せになりなよ?」

「えっ?」

「当たり前じゃん。好きな女の子には、幸せになって欲しいから」


最後まで優しく向き合ってくれた菊池先生。


きっと…ううん、絶対に素敵な彼女さんが出来ると思う。



心の奥底がスッキリし、塾を出た。


あとは、晃椰と仲直りしたいだけ。


それに今日は誕生日だから、どうしても側にいたいんだ。


何も用意は出来てないけどね………。