性悪男子の甘い毒




つい反射的に目を逸らしてしまう。


すると、上から振って来たのは思ってたよりも優しい声だった。


「…気にすんな」


たった一言。


なのに、その一言すら嬉しかった。



前までなら、隣の席に座ったり〝ブス〟とか〝バカ〟とか悪態ついてきたけど…。


今は遠くの席から晃椰の背中を眺めるだけ。


もうこんな関係耐えられないや………。



授業終わりの帰り際、物理の女の先生を呼び止めた。


「先生‼︎」

「あら、どうしたの?藤咲さん。分からない箇所でもあった?」

「いえ…あの…。今日、菊池先生はいないんですか?」

「菊池先生なら今日は休みよ。でも確か、明後日の17時からいるわ」

「本当ですか⁉︎ありがとうございます‼︎」


明後日の17時。


あたしの授業は無いけど、菊池先生にハッキリお断りしに行こう。


そいえば明後日って………



晃椰の誕生日だ。