結局、あの日から晃椰と口を聞かないまま迎えた夏休み。
暑さにイライラしつつ髪を結べば、目に入る8月のカレンダー。
もうすぐ晃椰の誕生日だ……。
しかも、その日は塾。
あれから気まずくて菊池先生の授業は受けてないし、あたし逃げてばっかじゃん…。
自分に嫌気が差しながらも、夕方になり塾へと向かう。
夕方でも十分に暑い……。
塾に着くとクーラーの涼しさで生き返る〜…。
「叶芽〜‼︎夕方だけど、おはよう‼︎」
「未央‼︎おはよっ」
「今日、あたし英語の授業なんだけど叶芽はなに〜?」
「あ〜……あたし、物理だ‼︎」
「残念‼︎じゃあ、また後でねっ」
手を振って未央と別れ、あたしは物理の授業を受ける教室へ。
その時、ドンっと誰かにぶつかってしまった。
「あっ、ごめんなさい…っ‼︎」
顔を上げると、少し明るい髪色になった晃椰。
会いたいけど、このタイミングで会いたくなかったよー…。