背中を撫でてくれる手、優しい声、未央の笑顔の全部………
あたしの気持ちを少しずつ軽くしてくれるの。
「言っとくけどね、新太だって叶芽の味方だからねっ」
「えっ…。新太君も?」
「もちろん‼︎だからさ、元気出してよ」
昼休みの屋上で、あたしはわんわん声を上げて泣きじゃくった。
小さい子みたいに。
「うっ、ふぇっ…っ、晃椰のこと…失いたくないよぉ…っ」
「そうだよね。晃椰君も同じ事思ってるよ、きっと」
「あたしっ、嫌われてる…から…」
「分からないでしょ‼︎決め付けちゃダメ」
未央の前で思い切り泣いて、目も晴れて涙でぐちゃぐちゃ。
だけど、その分すごく心が軽くなったの。
改めて、未央という最高の親友に感謝した。
「未央。あたし菊池先生のこと、ハッキリ断って来る」
「1人で大丈夫?着いて行こうか?」
「大丈夫‼︎これは、あたし自身の問題だから」
「そっか…。頑張れっ」
生温い夏風が吹き抜けて、背中を押された気がした。
どんな結果になろうとも頑張れるよ。
晃椰への大好きって気持ちは、絶対に変わらないから。