今は慰めてやること出来ねぇから。


信用なんてモノは脆く崩れていく。


「晃椰…っ、ごめんなさい…」

「謝んなくて良いからさ……俺ら別れよう。やってけねぇよ…」

「ヤダ…ヤダよ…。晃椰と別れたくない…」

「よく図々しいこと言えたな…」

「違うっ、違うからぁ…っ」


ひたすら泣きじゃくる叶芽。


もう、抱きしめてやれない……。


そして、叶芽を傷付けるには十分な言葉を言ってしまった。


「俺、お前のこと好きじゃねぇから。もう話し掛けんな」



叶芽の表情を見ることは出来なかった。


ただ、俺らの関係が全て崩れ落ちたのは確実。


こんな終わり方したくなかったのにな………。



1人の家に帰り、部屋のベッドに寝転がり天井を見詰める。


そんな時、少しの後悔が溢れる。


あの時なんで冷静に叶芽の話し聞いてやれなかったんだろう…。


だけど俺は悪くない、はずだ。


叶芽は、浮気してたって事だろ?


あんなに叶芽のこと好きでいたのに。



明日から俺の隣に叶芽はいないんだ。


俺はスマホの連絡先から、思い出と一緒に叶芽を消した。