俺の授業が終わった後は、叶芽が終わるまで自習室で勉強。


…なんだけど、15分経っても叶芽が来ない。


アイツ何してんだ?


カバンに教科書を詰め、自習室を飛び出し探しに行った。



ほとんどの教室は授業が終わり、電気も消えている。


帰るヤツらと逆方向に脚を進めて行く俺。


そして、1番奥の教室のみ電気が点いていた。


何気無く教室を覗くと、信じられない光景が………。



「叶芽…なんでっ…」

「…っ‼︎晃椰‼︎違うの‼︎聞いてっ‼︎」


教室の隅で、抱きしめられて他の男とキスしてる姿。


相手の男は叶芽をお気に入りにしてる菊池先生だ…。


アイツが他の男とキスするとか有り得ない……。


「待って、晃椰‼︎お願い…っ、聞いて‼︎」


背中を向けた俺を追い掛けて来る叶芽。


ぐっと掴まれた腕を強引に振り解いた。


「なんだよ…。俺はお前の言い訳でも聞けば良いの?」

「違う…‼︎キスしたくなかったの‼︎信じて‼︎」

「はぁ?信じられるかよ…」

「信じてよ…っ。あたしが好きなのは晃椰だからっ‼︎」


目の前で、ポロポロと大粒の涙を流す。


泣きたいのは俺だっつーの………。