性悪男子の甘い毒




どこか浮かれモードの蒸し暑い教室内。


クラスのみんなは帰り支度を進める。


明日から高校生活最後の夏休みに入る俺らは、今日は終業式だった。


「晃椰‼︎この後、は2人で遊びに行かね⁉︎」

「今日夏休み前最後の塾だろ〜。バカ新太」

「バカは余計だっ‼︎つーか、塾なの完全忘れてたぁ〜…」


窓際で新太と項垂れてると、背中に軽く重みを感じた。


振り向けば、ニコッと微笑む叶芽。


「一緒に塾行こうよっ」

「暑いからくっつくなよ…」

「晃椰〜‼︎なんか冷たい…。あ、新太君‼︎未央が先に玄関で待ってるって‼︎」

「マジ⁉︎じゃあ、お先に〜♪」


少し悲しげな顔を見せた叶芽と2人。


「ごめん」って意味も込めて頭を撫でれば、ぎゅっと腕に抱きついて来た。


「今日、塾終わったら一緒に帰ろ?」

「俺、英語の授業あるから叶芽より終わるの遅いぞ?」

「良いの‼︎前に待っててくれたから、今日はあたしが待つね」

「良いって。先帰ってろよ」

「ヤダ。晃椰と帰りたいの…」


俯き気味に言うもんだし、頑固だし。


そういう可愛いとこズルイよ、お前。