立てないあたしのお腹に腕を回し、そっと立ち上がらせてくれる。


距離近過ぎ‼︎


肌キレイだし、茶色の瞳に吸い込まれそう……。


「お前さ、行く場所違うだろー?病人は保健室だって」

「具合悪くて……歩けなくて…」

「え、マジで?ったく、仕方ねぇな」


その瞬間、ふわっと体が宙に浮く。


所謂、お姫様抱っこ。


あたし、具合悪過ぎて何かの夢でも見てるのかな?


夢にしては、心音がリアルに高鳴るけど…。


「あっ、あの…」

「なんだよ」

「あたし重たいし…恥ずかしいから…」

「あっそ。じゃあ、顔でも隠しとけ」


そうゆう問題⁉︎



そのまま、あたしは彼の腕の中。


登校する生徒がチラホラあたし達に視線を送るのが痛い程分かる。


そして到着した保健室。


保健のおばちゃん先生も、この登場にびっくりだ。


「あら‼︎朝からどうしたの⁉︎」

「旧校舎で倒れてたんで拾いました。じゃ、俺はこれで」

「あ……待って…‼︎」


咄嗟に彼の手首を掴んだ。


首を傾げてベットに座るあたしを見下ろす。