性悪男子の甘い毒




静かな車中に流れる聞き覚えのある洋楽。


沈黙に耐え切れなくて、くだらない事を聞いてしまう。


「…せ、先生は大学でなんの勉強してるんですか?」

「俺はね〜、経済メインに勉強してるよ。ま、経済学部だからねっ」

「難しそうですよね‼︎経済って」

「そうかなー。あ、てかクーラー大丈夫?寒くない?」

「大丈夫です‼︎ありがとうございます…」


さり気無い気遣いが年上だよね…。


不覚にもドキッとしてしまった。



「藤咲さん家は、ココ…かな?」

「はい‼︎わざわざ、ありがとうございました」

「いーえ。あっ、ちょっと待って」

「…っ‼︎」


急に近付く菊池先生の端正な顔。


車中に響くリップ音は、額にされたキスの証拠。


「おやすみなさい。叶芽ちゃん」

「菊池先生…‼︎」

「高槻君にはナイショね」


悪戯っ子みたいに笑う先生。


どうしよう………。


動揺と同時に、晃椰への背徳感。



大好きなのは晃椰なのに、なんでこんなにドキドキしてるの…。