性悪男子の甘い毒




梅雨時期が近いのか、曇り空の下を歩く放課後の帰り道。


晃椰と手を繋いで歩く時間が幸せで……。


「なぁ、叶芽。今日時間ある?」

「あるけど…。どうしたの?」

「遠回りして帰んね?いつもの道、工事してるらしいぜ」

「えっ‼︎そうなの⁉︎じゃあ、遠回りしよっか」


他愛も無い会話をして、今日は遠回り。


晃椰と何気無い事を話す時間も大好き。


声も、笑顔も、全部好き。



「あ、電車来るっぽい。気を付けて帰れよ」

「ほんとだ…。ありがとう、晃椰‼︎」

「いーえ。つーか、叶芽ごめんな」

「なんで謝るの?」


改札口で照れくさそうに俯き、小声で言葉を紡いだ。


「俺、お前に嘘ついた。いつもの道…工事してねぇから」

「えっ⁉︎なんで……」

「叶芽と少しでも一緒にいたかった。それだけ」

「晃椰…。今回の嘘は許してあげる‼︎一緒にいられて楽しかったから‼︎」

「照れさせんなよ…。バーカ‼︎」


ほんとは、すでにすごく寂しい。


だって、晃椰はもう心の一部なんだもん。


泣いてちゃダメだから、笑顔でいるね。