【晃椰side】



進級早々の課題やらが山積みになってた事も解決し、俺らが3年になってから約1ヶ月が過ぎた頃。


放課後、久々に新太含むクラスの男達と遊んでから帰宅した。


マンションのエレベーター内で、スマホの時刻を確認すると〝PM9:00〟。


遊び過ぎて疲れた……。


今日は、シャワー浴びて即寝よう。



そして、家の鍵を開けると黒のパンプスが玄関先に揃えられていた。


母親の物だ…。


急に帰って来て何の用だろう。


「あら、晃椰。おかえり」

「あぁ…」


テーブルの上でパソコンを開く母親を見て、俺は目を凝らした。


テーブルに積まれた多くの英字雑誌。


なんだコレ?


「気付いたかしら。お母さんね、今年の9月からアメリカ行くの。向こうで、良い事業の話しがあってね」

「へぇー…。行って来れば良いじゃん」

「何言ってるの?晃椰も一緒に連れて行くつもりよ」

「なんだよ急に…。俺、そんな話し1回も聞いてねぇよ」

「急に決まった事なのよ。アメリカに行った方が、晃椰にも利点が多いわよ‼︎」


そんなの今更だ………。