性悪男子の甘い毒




次の日の朝。


学校に着くなり、屋上に叶芽を呼び出し俺はすぐに昨日の美希の件を話した。


言わないと、隠し事してる様な気分になって俺が嫌だから…。


「そっかー…」

「一応、告られたこと伝えとこうと思って。聞きたくなかった?」

「ううん‼︎そんな事ないよ‼︎でも実は……告白されること知ってたの」

「はぁ⁉︎」


腑抜けた声を出す俺とは真逆に、ケラケラと笑う叶芽。


遠くの空を眺めながら叶芽は呟く。


「美希ちゃんが素直に教えてくれてさ…。晃椰のことが好きってこと‼︎」

「なんだよ〜…。先に言えよな‼︎」

「晃椰に言ったら美希ちゃんの考える告白台無しにしちゃうでしょ‼︎」

「つーか、お前は美希に宣戦布告されて嫉妬しなかったんだー?」

「嫉妬⁉︎すっ、するわけないじゃん‼︎」


慌てた様子で、ぷいっと俺に背中を向けた。


嘘つけないヤツ〜。


きっと、それでここ最近の叶芽の様子も変だったんだな。


「美希ちゃん良い子だから優しい彼氏に出会えるよね。きっと‼︎」

「だな。アイツに俺は勿体ねぇよ。叶芽ぐらいが十分」

「何それ‼︎悪口〜‼︎」